成田凌主演ドラマ『逃亡医Ｆ』の同名原作漫画、第16話のネタバレをご紹介します！
＜『逃亡医Ｆ』漫画第15話のおさらい＞
藤木は、無実の罪を着せられた父親を持つ清水亜美と弁護士の横尾に無実を晴らすための協力を迫られていた。
偶然立ち寄った歯医者で、事件のキーマンである男・桑野に遭遇し、殺人事件の冤罪を証明する重要な人物・諸井ではないかと疑う。藤木と横尾は、証拠を揃えて桑野が諸井であることを証明しようとするが、その前に亜美が桑野を襲い、ケガを負わせてしまう。
ケガの出血により藤木が治療を施すが、Ｏ型を輸血しようとする藤木に追い詰められ、命の危険を感じた桑野に諸井であることを自供させた。
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『逃亡医F』第16話ネタバレ：養蜂家の双子女性を救ったミツバチと男の腕を救った蜂針療法
福岡を離れた藤木は佐賀県の郊外にきており、近くの花畑では女性が二人の男たちに追われていた。
「い、いやっやめて！離して！！」
女性は男に捕まり押し倒されて下着に手を掛けられていた。
「遅いんだよもう…」
女性は大声で叫んだ。
「助けてっ、誰か助けて――――ッ！」
偶然近くにいた藤木がその声に気づいた。
「たっ、大変だ！」
「あきらめな、こんな場所にゃ誰も助けになんか来やしねえよ」
「そういうこった、大人しく言うこと聞いてりゃこんな目に遭うこともなかったんだ」
男たちは、女性を押さえつけて着ている服をはぎ取ろうとしていた。
「ど、どうして？私たちはちゃんと知事の許可も受けているし、ここの地主さんとだって何年にもなる付き合いだわ」
女性は抵抗しているが、男たちは力でねじ伏せていた。
「分からねえ女だね、事情が変わったと言っただろ」
「おい、早いとこ犯っちまおうぜ。さっきからズボンの前がパンパンでチャックが弾けそうだ」
「バカな真似はやめろっ！！」
男がズボンを下ろしているところに藤木が現れた。
「だ、誰だてめえは！？」
「誰でもいい、その人から手を放せっ！！」
藤木は男たちに止めるよう声を上げた。
「ふざけんなっ、おい、かまわねえからこいつも痛い目に遭わせてやれ！」
男たちは立ち上がり藤木に向かっていくと「よ、よせっ、話せば分かる！」と藤木は及び腰になっていた。
「うっせえ―――ッ！」男たちが襲い掛かろうとしたその時、「ブゥ――――ン」という大きな音が近づいてきた。
音のする方を振り返った藤木の目に入ったのは「黒い雲の塊」のようなものが向かってきていた。
「バカッ、雲なんかじゃねえ」
大量のハチが飛んできて、男たちは逃げるように走り出した。
その後から女性が現れ、襲われていた女性の元に走ってくると
「さあ、お前たちあいつらをやっつけておやりっ！」と叫んだ。
ハチたちは藤木にも襲い掛かってきた。
「うわぁあ―――ッ！！」
――――――――――――――――――
「痛う―――ッ！！」
ハチに刺された藤木は襲われていた女性・菜々子に手当をしてもらっていた。
「逃げるからだよ、じっとしてればあの子たちも刺すようなことはなかったんだ」
ハチを連れてきた女性・美々子は、お前が悪いと言わんばかりの物言いだ。
「フン、あの状況でじっとなんてしていられるもんか…」
そういっう藤木に菜々子も同感のようだった。
「そうよ美々子、鳴海さんは私を助けようとしてくれたのよ。そんな言い方はひどすぎるわ」
「しょうがないだろ、あいつらの仲間と思ったんだから…」
自分の非を認めようとしない美々子に藤木は苛立っていた。
「顔を見れば俺が女性を襲うような男か分かるはずだっ！見ろッ！だんだん腫れて痛みがひどくなってきたじゃないか」
「スズメバチじゃあるまいし、二、三日で治まるよ」
美々子は軽い調子で藤木の肩をポンッと叩いた。
「それにしても双子と言ったが顔は同じでも菜々子さんとはまるで性格が違うようだな」と藤木は菜々子に同調を求めると美々子は「それこそ大きなお世話だよ」と返す。
「と、とにかく君たちが養蜂家だということは分かったよ。けどどうしてあんなことになったんだ？あの二人の男はいったい…」
藤木がそう訊くと美々子は「あいつら私たちが先乗りしてる蜂場に強引に割り込んできたのさ」と答える。
すると、飼育しているミツバチに花蜜を採取させる場所を「蜂場」というのだと菜々子が教えてくれた。
菜々子は続けて「私たちは花蜜を採取するために花前線を追って、南は九州から北は北海道まで一年をかけて旅をしているんです」と自分たちのやっていることも話してくれた。
「ふーん、姉妹で花前線を追っての旅か、なんだか羨ましいな」という藤木に「あれ、鳴海さんも旅の途中だって言ったじゃん？」と菜々子は訊き返す。
「ああ、その通りだが俺の旅は君たちのように楽しいものじゃない」と藤木は返した。
――――――――――――――――――
菜々子を襲った二人組の男たちはハチに刺された身体の手当をしながら話し合っていた。
「くそっ、あの女ッ！」
「どうするよ？脅しつけてここから追い出すつもりがこのザマだ」
「フンッ、地主にはもうナシをつけてあるんだ、連中が勝手に採密を始めりゃ地主が不法侵入で黙ってねえさ」
「けどよ、養蜂業を名乗る俺たちが手ぶらだと分かりゃ…」
「分かるもんか、その辺を飛んでるハチに背番号がついてるわけじゃねえ、だいいち金さえわたしゃ文句はねぇハズだ。あの女どもに採密させたところで地主にとっちゃ一銭にもならねえんだからな」
「あ、ああ…」
「とにかく俺たちは実際に採密しようがしまいが、国内の蜂場を飛び回っていたという実績さえ残しゃいいんだ。それで国内産だと偽装して売りさばくハチミツが粗悪な外国産と疑われた時に言い訳ができる。国産というだけで粗悪なハチミツがバカ高値でさばけるわけだからな」
「ああ、あの女どものようにハチを連れて全国を旅するなんてアホらしくてやってられねぇよ」
――――――――――――――――――
「お金を？」美々子と菜々子は、地主を訪れて事情を聞いていた。
「うむ、初めて世話になるからといってねえ。あんたたちとは亡くなったお父さんの頃からの付き合いだが、ワシもこの年で農作業も思うようにできないし、こういう現金収入はありがたいんだよ。そういうことだから悪く思わんでくれ。花は他にもあるだろう…」
――――――――――――――――――
養蜂について詳しくなかった藤木は、地主の話で事情を知ることができた。
「知らなかったよ、俺はてっきり地主に謝礼を払うんだと思ってた」という藤木に美々子が口を開いた。
「当然、挨拶代わりの手土産ぐらいは用意するよ、けどお金を払うことはまずないね」
さらに菜々子が続ける。
「地主さんはこの商売とは一切関係ないのよ、ただ養蜂家が自分の所有地に立ち入るのを許可してくれるだけ」
「ふ～～～ん」と理解していく藤木に美々子が続ける。
「もともとハチは自然界にいるものだからね、ハチが勝手に採蜜するのを誰にも止められないないし、農家にすればハチのおかげで自然交配もできるんだ」
藤木は二人の話が理解できてきた。
「要するにこれは養蜂家同士の縄張り争いだったわけだ」そう言った藤木の胸ぐらを美々子が掴んで声を荒げた。「冗談じゃないよッ！あいつらのどこが養蜂家なのさ！！」
菜々子は、次の場所に移動することを提案するが、美々子は移動先でもまた男たちと鉢合わせしてしまうことを懸念している。藤木はさらに男たちが“もっと思い切った行動に出てくる”のではないかと予想していた。
――――――――――――――――――
その夜、藤木の心配していた通り男たちが現れた。
「よし車の灯りも消えている。いいか、この殺虫剤を巣箱にたっぷり振り撒いてやるんだ。肝心のハチがくたばりゃ連中も尻尾を巻くさ」
「だな、次の蜂場で出会うこともなくなるし、俺たちが採蜜してねぇこともバレねぇですむ」
車の照明が男たちを照らした。
「やっぱり現れたな」
藤木は車の屋根に立ち上がった。
「性懲りもなくまたハチに刺されたいのか」
「頼りのハチは巣箱でネンネしてらぁ」
怯まない男たちに藤木はスズメバチの巣を手にして見せた。
「ミツバチは寝ててもこいつはどうだ。こちはミツバチに刺されるのとはわけが違って
下手するとショック死する人間もいるらしいな」
そう言うと藤木は「ほら！」と言って持っていたスズメバチの巣を男たちの方へ放り投げた。
「ぎゃあああああ――――ッ！」と悲鳴を上げて男たちは逃げていった。
「バカめ、そいつはとっくに空き家になった巣さ」と藤木は勝ち誇っていた。
男の一人が「うわああああ――――ッ！」と叫び逃げていったが、男は逃げた先の窪地に滑り落ちた。
藤木たちが駆けつけると木の枝が男の右腕を貫通している。
美々子が「フン、天罰よっ！」と悪態をつき、男は「てめえ、この女！」と叫ぶと藤木が「動くなっ！動くと出血が激しくなる」と男を落ち着かせる。
菜々子は「困ったわ夜だし…、この近くに病院なんてないもの」と心配している。
「じょ、冗談じゃねえっ！だったら俺はどうなる！？」と焦りを隠せない男に
「早く手当てをしないと腕の運動機能が失われる」と藤木が告げる。
「菜々子さん何かナイフのような物はないかい？貸してくれ」という藤木にナイフを差し出す。
もう一人の男が不安そうに「ま、待ちな、てめえいったい何を……」
そういうと藤木は「決まってる、創傷を抉って突き刺さった枝を取り出すんだ」と言い
「こ、ここでやるのか！？」と驚く男に「安心しろ、俺は医者だ。ロクな道具はないがとりあえず応急処置はできる」と答えた。
「それから美々子さん、すまないが大切なハチを何匹か譲ってもらえないか？」と藤木が続けた。藤木は「すまない……怒って俺を刺さないでくれ」と言うとピンセットでハチのお腹から針を抜いた。
「お、おい、てめえそれで何をするつもりだ？」心配そうに訊く男に藤木は「蜂針療法さ」と答えた。
――――――――――――――――――
蜂針療法は、ヨーロッパで古くから行われている療法で、ミツバチの針と毒袋を採取しそれをツボや患部近くに突き刺す方法だ。一匹のミツバチには0.1グラほどの蜂毒があるそうだが、これには炎症を和らげ、抗菌、鎮痛、化膿を抑える効能があるという。
――――――――――――――――――
藤木は、蜂針療法について説明した。
「これは天然の優れた抗生物質さ。消毒も満足にできない不衛生な状況で治療をすれば
間違いなく化膿する。それだと壊死した腕を切り落とすことになるからね」
藤木はそう言うと、ハチから採取した針を木の枝が貫通している男の右腕に刺した。
「これで化膿する危険性は減少する」というと男に向かって「で、どうする」と訊いた。
「治療して欲しけりゃ二度とこの人たちの邪魔はしないと誓うんだ」という藤木に男は半べそで「ここまでやっておいていまさら……」とこぼすと、美々子も「そうね、誓ってもらおうかしら」と男に向かって言った。
藤木が続けて「それとも昼間の狼藉を目撃者として警察に訴え出ようか？」と言って
男に詰め寄った。堪らなくなった男は「わ、分かった約束する。だから早く何とかしてくれ！」と治療を頼んだ。
――――――――――――――――――
翌朝、美々子と菜々子は藤木に別れを告げる。
「また何処かで会えるといいわね」
「うん、それより頼んだことだけど……」
「分かってるよ、どっかの山ン中で都波とかいう人に出会ったらあんたが探していると伝えればいいんだろう？」
藤木は二人に都波を見つけた時に連絡するよう頼んでいた。
「でもどうやって知らせればいいの？鳴海さんは旅の途中で携帯も持ってないんでしょ」という菜々子に「その時は、イースト薬業の中央研究所に電話して烏丸という女性に伝えてくれ」と伝えた。
菜々子は「その人…、鳴海さんの恋人？」と恥ずかしそうに訊くと藤木は「いや、人探しの名人さ、だからきっと俺を見つけてくれるはずだ」と言い残し、二人の元から歩き出して行った。
『逃亡医F』第16話 感想
藤木先生、二人組の男を止めに入った時はかっこよかったですね！
ただ、構えることになった時に「話せば分かる！」はちょっと無理がありますね。
そんな乱暴なことをする男が話し合いを受けるようには思いません。
結果、撃退したのは美々子が放ったハチでしたし。
それにしてもハチの針には色んな効果があるんですね、勉強になります。
まあ、使いこなすようなことはできませんが。。。
そして最後のシーンですが、藤木はどこか心の奥で烏丸を頼っているところがキュンでした。今後もどこかで烏丸が登場してきそうな気がしますね。
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