成田凌主演ドラマ『逃亡医F』の同名原作漫画、第25話のネタバレをご紹介します!
<『逃亡医F』漫画第24話のおさらい>
藤木、富樫、烏丸の三人は長谷川の自宅を訪ねる。
長谷川の妻・浩子が対応してくれる中、妊娠に気付いた藤木がお祝いの言葉を掛けると
浩子は泣き崩れた。自宅に戻ってきた長谷川がその様子を見て藤木たちに出て行くように告げる。
浩子は妊娠していたわけではなく、難病を患っており担当医の東条教授より余命宣告される。
浩子が過去に自分を救ってくれた藤木の力になってほしいと長谷川に望んだことで、会社に脅されていた自分から正気に戻り藤木に全てを話すことを約束した。
『逃亡医F』第25話ネタバレ:絶体絶命!?八神に捕まった藤木と峰専務の策略にはまった長谷川
長谷川からの電話を切った藤木はホテルのベッドに横たわり気持ちを整理していた。
(ふ……おかしなもんだ、無限に思えた逃亡中の時の流れを思えば先輩を待つ時間などほんの僅かだというのに、それが待ちきれないなんて…)
するとドアをノックする音が聞こえた。
(まだ退社時刻には時間がある…、そうか、俺が待ちわびていると思って先輩が早退してくれたんだ)
長谷川が来たと思った藤木がドアのロックを外すとそこには八神が立っていた。
「な、なぜここが…」
藤木を見た八神が松葉杖で腹部を突くと藤木は後ろに飛ばされしゃがみ込んだ。
「見事に騙されたぜ、考えてみりゃあのおかしなネエちゃんがこのビジネスホテルに入った時にピンとくるべきだった。あの時の女はキサマの変装だったんだな」
「ま…、待ってくれませんかお兄さん」
八神は言い訳しようとする藤木を松葉杖で押さえつけた。
「黙れッ、キサマに兄さんなんて呼ばれる筋合いはない!」
「は…、話を聞いてくださいッ!もうじき……、もう少し待てば俺の無実を証明してくれる人がここに来るんだ」
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関東学館医大 消化器外科の教授室には、東条教授を訪ねて峰専務が来ていた。
「緊急の相談ということだったが、イースト薬業の峰専務が直々におこしになるとは、どんな話ですかね…」
「なに、長谷川君の奥さんの件でちょっとね」
「長谷川?」
「教授に特別な配慮をお願いした腹膜偽粘液種の患者ですよ」
「ああ、あの患者のことですか。あれはちょっと難しいな、峰専務からの紹介ということで私としても手を尽くしたんだが…」
東条教授は、浩子の状態について手の施しようがないこと、長谷川にも伝えたということを峰専務に話した。
すると峰専務が病状について話し始めた。
「私は薬屋でそれほど詳しいわけじゃないのですが腹膜偽粘液種の原因…、つまり原発巣は虫垂や卵巣のケースが多いそうですな」
東条教授は一般的な医学知識について話した。
「まだ確定したわけじゃないが虫垂や卵巣に蓄積された粘液性物質と腫瘍細胞が何らかの原因で腹腔内に穿孔し播種…、つまり飛び散ったものだと考えられている」
峰専務は東条教授の話について確認するように聞き返した。
「つまり、虫垂炎の手術が原因で腹膜偽粘液種になるということもあると…」
「虫垂が原発巣であった場合、執刀者がそれと気づかないまま切除すれば、それによって腹腔内に粘液性物質と腫瘍細胞が播種されることは十分にある」
峰専務の質問に東条教授はひとつの可能性としての話で答えた。
「なるほど…、そういえば長谷川君の奥さんは以前に虫垂炎の手術を受けていましたね」
「その通りだがね、腹膜偽粘液種はまだ発症原因もはっきりしていない疾病だから直ちにそれが原因とは言えませんな」
「いや、間違いない。長谷川の奥さんはその時の手術が原因で腹膜偽粘液になったんです!」
峰専務はそう言うと、東条教授に小切手を差し出した。
「………これは?」
「教授が時期学部長選に出馬予定と伺いましてね、これはイースト薬業からのささやかなカンパです」
「どういう意図か知らんがこれはいただいておこう。だがくれぐれも私の名に傷が付くような真似だけは控えてくれたまえ、大事な時期なのでね」
「もちろんです、これまでもこれから先も教授とは持ちつ持たれつの関係ですからな」
東条教授が小切手を受け取ると峰専務は教授室を出て行った。
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ホテルでは、藤木の腕を掴んで逃げないようにしている八神に藤木が抵抗していた。
「頼むッ、もう少しだけ待ってくれ、会社が退ければ必ず先輩が訪ねてきてくれるんだ」
「…ふんいいだろう、ただし覚悟しておけッ、もしこれが嘘ならタダじゃおかんからな」
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岡部薬品では退社する長谷川を待ち伏せる佐々木常務に気付いた長谷川が声を掛けた。
「何を言われても私の決意は変わりません、このままクビにすると仰るなら覚悟の上です」
すると佐々木常務は浩子について話し始めた。
「そうじゃない、奥さんの病気の真相についてだ。実は―――君に言うまいかどうか迷っていたことがある。君の奥さんは何年か前に帝都医大で急性虫垂炎の手術を受けたそうだね」
「それが何か……」
「執刀したのは?」
「……藤木……ですがそれと妻の病気の事は…」
「大いに関係がある!」
「えっ」
「奥さんの腹膜偽粘液種はその時の手術が原因だったすればどうだね?」
佐々木常務は、浩子の腹膜偽粘液種の原因は藤木の手術だったと匂わせた。
「東条教授の話では奥さんの疾病は虫垂が原発巣だということだ。もし虫垂を切除する際にそれに注意していれば腹膜偽粘液種などという難しい病気にはならないですんだんだ」
「そんな…」
「もちろん意図的に見逃したわけじゃないだろうから執刀者を責めるつもりはないと
教授は仰っていたがね。慎重で経験のある外科医なら化膿した虫垂を無造作に切除することはしなかっただろうし、術後の腹腔内洗浄にも十分気を配ったはずだと…」
「つまり……浩子の病気は藤木の不注意が原因だと……」
「ああ、教授は言外にそう匂わせていた。執刀者の未熟さが腹腔内に播種した粘液性物質と腫瘍細胞を見逃した可能性が高いとね。ただ患者の友人が執刀者だと聞きそれを指摘するのはあまりに酷だと考えたようだ」
「そんな……」
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長谷川は、浩子が虫垂炎の手術を受けた時のことを思い出していた。
ある日、藤木は長谷川の自宅に招かれ酒を飲んでいた。藤木は長谷川に酒を勧められたが待機番という理由で少量で控えていた。
そんな時、自宅で腹痛を訴えていた浩子を藤木が問診と触診で診察していた。虫垂が破れている可能性を感じた藤木はすぐに病院で検査するように手配した。検査結果から手術するべきという判断を出した藤木に、長谷川が手術するよう頼み藤木が執刀していた。
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「どうした?聞いているのかね長谷川君」
「え…ええ」
「君が何を言おうが私の関知するところではない、しかし君が話しをしようとしている相手はもしかすると君の奥さんを死の淵に追いやった人間かもしれないんだ。老婆心ながらそれを君に伝えておこうと思ってね」
佐々木常務の言葉を聞いた長谷川は、深く頭を下げて立ち去った。
その表情には明らかに戸惑いが見えていた。
長谷川が立ち去った後、佐々木常務は携帯から電話を掛けた。
「専務…佐々木です。ご指示通り話をしました。ええ、長谷川の様子を見る限りもう安心だと思っていいでしょう」
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動揺していた長谷川は自分のデスクに座り混乱した頭を整理しようとしていた。
(知らなかった。常務の話が本当なら藤木は…。バカな…バカなッ!そんなことってあるか……、今まで命の恩人だと思っていたアイツが浩子にとって恩人どころか、死への苦しみに突き落とした張本人……、殺人者に等しい相手だったなんて……。考えてみると藤木は俺ほどではないにしろ酒を飲んでいた。もしかして酔いのせいで注意が散漫になっていたことも……くそッ!)
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ビジネスホテルでは、八神がシビレを切らしていた。
「フン、もうとっくに退社時間は過ぎたぞ。キサマは骨の髄まで嘘つきらしいな。先輩だか何だか知らんがそんな人間最初からいないんだろう」
「違うッ、きっと道が混んでいるんだ」
藤木は長谷川が来ることを信じている。
「黙れ、キサマの言い逃れは聞き飽きた!どうせありもしない話で俺から逃げる機会を
うかがっているに決まってる!」
「電話を……、電話をかけてみる。それなら俺の話が嘘じゃないと分かるはずだ」
藤木はそう言うと長谷川に電話をかけた。
その時、長谷川は着信が鳴る携帯電話を見つめたあと電話に出ることなく切った。
「そんな…出ない」
「俺と一緒に警察に行くんだ!こいッ、もう騙されんぞ!」
八神は藤木を引っ張り、ホテルの部屋から出ようとしていた。
『逃亡医F』第25話 感想
藤木先生、ドアを開ける時は相手を確認してからにしましょう。
自分の立場をしっかりわきまえてください、無防備すぎます…。
峰専務、なかなかあくどいですね~!
そして東条教授も峰専務とのこういった関係は初めてではなさそうでしたね。峰専務は、今回のような金と権力を使った処世術で専務まで上り詰めたのでしょうか。そしてコバンザメ佐々木常務もいい仕事してます。これで見事に悪役トリオが完成しました。
まんまと嵌められてしまった長谷川先輩、そして窮地に陥った藤木先生、この憎っくき悪役トリオを懲らしめて無実を晴らすことはできるのでしょうか。
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