成田凌主演ドラマ『逃亡医Ｆ』の同名原作漫画、第24話のネタバレをご紹介します！
＜『逃亡医Ｆ』漫画第23話のおさらい＞
行方不明となってしまった都波先生を探すのが困難と感じた藤木たち三人は、新薬開発の情報を漏らした張本人、藤木の先輩である長谷川を問いただすことを思いつく。
イースト薬業の峰専務は、新薬開発に必要な情報を聞き出すため八神妙子を早く目覚めさるよう躍起になっていた。そんな中、藤木が東京に戻ってきている情報が入ったことから長谷川に接触することがないように釘をさす。
一方、長谷川は妻の難病を診てもらっている東条教授が峰専務の口利きによるものが理由で、峰専務と通じている佐々木常務にも頭が上がらない状況だった。
藤木は、長谷川の妻とも面識があることから家に上がり込み、直接話すため、富樫、烏丸の三人で長谷川の自宅に訪れようとしていた。
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『逃亡医F』第24話ネタバレ：長谷川の妻・浩子が抱えている難病と夫への最後の願い
藤木、富樫、烏丸の三人は、長谷川が暮らしている岡部薬品の社宅へ訪れていた。
「ご無沙汰してます、奥さん」
「藤木さん…、あの…あなたは警察に追われているのでは……」
玄関に出てくれたで長谷川の妻・浩子は藤木の状況を知っていた。
「あれは誤解なんです」
「で、でも……」
「信じてやってください奥さん、僕はこの男の友人ですがこいつの言うことは本当なんだ」
横から富樫が長谷川の奥さんに信じてもらおうと説得している。
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長谷川は、会社から帰宅途中の道で思い悩んでいた。
（会社にはああ言ったが、藤木が東京に戻っているなら必ず俺に接触してくる。その時…、俺は何と答えればいいんだ）
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社宅では、藤木が浩子に事情を説明していた。
「お願いです、迷惑なことは承知してます。しかし…俺はどうしても先輩と話さなきゃならない事があるんです」
「…………ちょっと待っててください…」
そう言うと浩子は立ち上がった。
「まさか……警察に連絡を」
「あなたには以前病気で手遅れになるところを助けてもらったわ、お茶を煎れてくるんです」
動揺した藤木の質問に浩子が答えると藤木はホッとした。
烏丸が藤木の耳元でささやいた。
「あの奥さん…、妊娠してるよ」
「何？」
「鈍いなぁ、それでも医者なの？上手に洋服で隠してるけどお腹が大きいし動きだってダルそうじゃん」
烏丸の言葉に富樫も納得した様子だった。
「言われてみると確かにそうだ、最初に見た時に顔色が悪いと思ったが悪阻のせいだったんだな」
浩子がお茶を持ってくると藤木が口を開いた。
「おめでただったんですね、先輩も喜んでいるでしょう。会うたびに子供が欲しい、欲しいって言い暮らしてたから……」
「あの人がそんなことを…」
「ええ、先輩は無類の子供好きですからね、仕事で病院に来た時もよく小児病棟で子供をあやしてました」
藤木が長谷川の様子を話すと突然浩子が泣き崩れた。
「うわァァァッ、うっ…うう………」
その時玄関のドア開いた。
「浩子ッ！？」
自宅に戻ってきた長谷川に浩子が縋り付いた。
「ごめんなさいあなた……、あなたがそれほど子供を欲しがってたなんて少しも知らなかった」
長谷川はすぐに何かを察して藤木に聞いた。
「藤木…お前…、浩子に何を言った！？」
「べ、別に…ただお祝いを言っただけで…」
「お祝い……だと？」
長谷川は急に大声で藤木に怒鳴った。
「で、出て行け！ここから出て行くんだ！」
「ま、待ってください、俺は先輩と話をするために…」
「うるさいッ、お前に話すことは何もないッ！お前との付き合いに免じて警察に通報はしないでやる、だから二度と顔を見せないでくれっ！」
すると今度は泣いている浩子をなだめようとしていた。
「そうじゃないんだ浩子、俺は子供なんて欲しいと思ったことは一度としてない」
「ごめんなさい、私がこんなふうにならなきゃ…」
「違うッ、これはお前のせいなんかじゃないんだ！」
話ができそうにないと思った烏丸が藤木に出て行くよう促したが、藤木は諦めきれない。
「先輩…俺はこんな事情で携帯を持っていませんが、友人の携帯の番号を置いていきます。もし…もし気が変わったら」
「頼むッ、出て行ってくれ！」
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長谷川の自宅を後にした三人は近くの喫茶店に入った。
「そうしょげるなって、お前はいい人だと言うがやったことを考えりゃ嫁さんの前で正直な話なんかできるもんか」
「だよね、こうなると分かってりゃ会社帰りにさらって無理矢理白状させりゃよかったのよ」
「お、おい…そりゃちょいと過激すぎやしないか？」
富樫と烏丸は長谷川の対応や接触方法について話していたが、藤木は別の事を考えていた。
「あれは何だったんだろう」
「ん？」
「奥さんの妊娠のことだ」
「ああ…あれネ、てっきりそうだと思ったけど二人の様子を見ると早とちりね」
「そのようだな」
「……妊娠ではないが明らかな腹部の膨満、健康な人間には考えにくいことだろう」
「そうだね、あの体型じゃメタボってことはなさそうだし…」
富樫は藤木が考えていることに気がついた様子だった。
「分かったぞ、あれは腹水が溜まったものだと言いたいんだな？」
「そうだ、他に考えようがあるか？」
「しかし、腹水はガン性腹膜炎か肝硬変に起因する場合がほとんどだ。目立つほど大量の腹水があれば病院のベッドで寝たきりの状態のはずだぞ」
富樫が見解を話すが藤木は他の理由ではないかと考えていた。
「ああ、だが奥さんは自宅で家事をこなしていた」
「だったら……」
「俺の思い過ごしならいいが…、奥さんは腹膜偽粘液種を病んでいるんじゃないかと思うんだ」
「何だと？」
「消化器外科の講義で習ったことがある。その時勉強した症例にそっくりなんだよ」
何のことか分からない烏丸に藤木が説明した。
「何さ、その腹膜偽粘なんとかって…」
「一種の腫瘍だが腹膜内の腫瘍が分泌するゼラチン状の粘液が溜まっていくという100万人に1人という珍しい疾患だ。症状はまるで妊娠したみたいな腹部の膨満、やがて腹腔内に腫瘍が広がると周囲の臓器が次々とやられていく」
「ふ～ん、どうやって治療するの？」
「今のところはない、原因すらはっきりしていないんだ」
藤木の言葉にピンときた富樫も思い出していた。
「俺も覚えているよ、腫瘍を切除しようにも進行すると冒された臓器をそっくり切除するしかないと教わった」
「冗談でしょ？臓器をそっくり取ったら死んじゃうじゃん」
「ああ、だから溜まった粘液や腹水を抜き取るしかないんだ、そうすればとりあえずは普通の生活ができる。だが根治するわけじゃないから腹水はまた溜まる。やがてそのうちに…」
「まいったな、もしお前の言う通りなら俺たちは酷い事を言ったことになるぜ。赤ん坊どころか自分の命だって危ういわけだからな」
「…じゃあ、あの奥さんは…」
「個人差もあるがもし腹膜偽粘液種なら、余命数年から長くても10年だ」
三人は浩子に難病の疑いがあることに気付き身を案じていた。
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関東学館医大 消化器外科 医局では、長谷川が浩子の診察結果を聞いていた。
「いちお貯溜していた粘液と腹水は取ったつもりだが、画像で見ると粘液種が腹腔内全体に広がっているようだな」
「東条先生…それではまた手術を…」
東条教授からの診断結果を聞いた長谷川が手術について訪ねた。
「無理だ」
「え？」
「粘液種が内蔵にへばり付くように癒着している、こうなると手の施しようがない」
「それじゃ…浩子は…」
「ああ…よくて一年、もしかするとそれより短いかもしれん。まぁここまでよく持った方さ、諦めることだな」
東条教授は長谷川に告げると部屋を出て行った。
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ホテルに戻った藤木と富樫は長谷川からの電話を待っていた。
「結局、電話はかかってこなかったな。あの男の良心を信じたいってお前の気持ちは分かるが、真実を語れば会社が告発されることになるんだ。務め人がそんな真似すると思うのか？」
「分かってるさ、だが俺にはもう他にできることがない。それより富樫、お前今日は病院に戻る日だろう」
「あ、ああ、だがこのままお前を残していくわけには…」
「お前には待ってる患者がいるんだ。俺のことより患者の心配をしろ、それが医者の務めだ」
「だったらその携帯はお前が持っていろ、俺は新しく買えばいいし何かって時はお前と連絡もとれる」
「いいのか？」
「ああ、俺にはこれぐらいしかしてやれない、悔しいよ」
「富樫…」
「自棄を起こすんじゃないぞ、いつまでも雨降りじゃない、きっと晴れる日が来るはずだ」
富樫は、藤木の力になれないことを悔やんでいた。
そして自分の携帯電話を藤木に渡し、ホテルを出て行った。
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関東学館医大の入院病棟には、長谷川が入院している浩子を訪ねていた。
「少しは楽になっただろう」
「ええでも…、またすぐに溜まるはずだって言われたわ」
「また抜けばいいさ」
「ねえ…、藤木さん…、何の話があって訪ねてきたのかしら」
「え？」
長谷川は、藤木が自宅を訪ねてきたことの理由を考えていなかった。
「警察を追われる身であなたを訪ねて来るなんてよほどのことでしょう。どうしてもあなたに話したいことがあるって言ってたけど…。あの人、自分は無実だって言ってた、嫌疑を晴らすためにどうしてもあなたと話さなきゃならないって…」
浩子は藤木から聞いたことを長谷川に話した。
そして過去に藤木の世話になってことを思い出していた。
「覚えてる？何年か前、私が虫垂炎をこじらせた時、いち早くそれに気付いた藤木さんが腹膜炎一歩手前で手術をしてくれたわ」
「あ、ああ…もう少し遅れていたら危なかった」
「藤木さんは私の命の恩人なのよ、その人があなたに救いを求めてる。もし私のことが原因であなたが何か躊躇しているのなら、もうその必要はなくなるわ。だって…、私はもう…」
「浩子…、お前は…」
浩子は自分がもう長くはない事に気がついていた。
「昔のあなたに戻ってほしいの。自分の家庭をも顧みず困っている人を患者さんを放っておけず一日中駆けずり回ってた頃のあなたに。そんなかっこいい旦那様を最後にもう一度見ておきたいな」
そう言って浩子は微笑んだ。
――――――――――――――――――――
岡部薬品に戻った長谷川は佐々木常務の元を訪れていた。
「何だと！正気なのか君は！？」
「私にはもう耐えられません、会社に背くことになるかもしれませんが、藤木に何もかも打ち明けるつもりです」
長谷川が胸の内を明かすと佐々木常務は笑って言葉を返した。
「言ってる意味がわかっているのかね、そんな真似をすれば会社はどうなる？私の立場も考えてもらわんとな。第一、君のクビは確実だ、そうなれば奥さんの治療費も東条教授への口利きも同時に失うんだぞ。聞かなかったことにしてやる、出て行きたまえ」
佐々木常務は長谷川を丸め込もうとするが、長谷川は毅然としていた。
「浩子はもう長くはありません、東条教授にそう宣告されました。私が失うものはもう何もありません、せめて浩子が生きている間に自分がしでかしたことの始末をつけるつもりです」
長谷川の態度を受けた佐々木常務は取り乱した。
「ふざけるなっ、正気かきさまっ！」
「妻に言われて気付いたんです、恫喝や脅しに屈し信念を曲げてきた今までがどうかしてました。正気に戻ったんです、失礼します」
「待てっ、待たんか！」
長谷川はそう言い残して部屋を出ていってしまうと佐々木常務は慌てて受話器を取った。
「岡部薬品の佐々木だッ、専務を…峰専務を頼む！！」
――――――――――――――――――――
ホテルにいた藤木に携帯電話の着信が鳴った。
「もしもし………もしもしっ！」
「藤木か？俺だ、長谷川だ」
「先輩！」
「すまなかったな。お前の聞きたいことは何でも話すよ、お前の居場所を教えてくれれば仕事を終えてから訪ねるつもりだ」
長谷川からの電話を受けた藤木はこれで事件が終結できると思っていた。
（感謝します先輩、これで…これで俺はもう逃げないですみます）
『逃亡医F』第24話 感想
ついに事件の終結につながる長谷川先輩の証言が得られそうです！
藤木の長い逃亡生活が終わりに近づいています。でもちょっと待ってください…、藤木の容疑は殺人未遂だったはず。長谷川先輩の証言を得られても当初の容疑は晴れなさそうな…。
それにしても富樫・烏丸は本当に頼れる存在ですね。容疑者である藤木の無実を晴らすための協力は単なる友人を越えたものを感じますね。自分の仕事を投げうって行動できるなんてなかなかできることではないと思います。
物語はいよいよクライマックスに向かっているようですが、藤木はこのまますんなり無実となることができるのでしょうか。
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